【警察犬】 審査会、競技会のシステム

               


ジャーマン・シェパード・ドッグ(じゃーまんしぇぱーどどっぐ) 英名:German Shepherd Dog データ
原産地
ドイツ
グループ
牧羊犬・牧畜犬
体高
55〜65cm
体重
26〜38kg
ジャーマン・シェパード・ドッグは知的で、忠誠心と服従心に富み、訓練を好む性格から種々な作業犬として訓練が容易である。このため救助犬・軍用犬・警察犬・麻薬探知犬など、特殊訓練を必要とする作業犬として使われたり、介助犬または補助犬(盲導犬)としても使われている。日常は温厚で親しみやすく、家庭犬としても人気が高い。シェパードとは「羊飼い」の意で、そのルーツは、牧羊犬種のなかでも優秀とされていた、ドイツ山岳地帯のチューリンゲン、バーデン、ヴェルテンベルクの犬種とされている。それらを交配して改良を重ね、今日の形態になった。被毛は、滑らかな硬い直毛の上毛にやわらかで密生した下毛をもち、毛色はブラック・タン、ウルフ、黒。


審 査 会 の シ ス テ ム

 当協会では一般に知られているドッグショーを「審査会」と称しています。
 審査会は、協会本部主催、支部主催(全国に約110支部あります)、犬種クラブ主催で、全国各地で行われます。
 当協会の審査会は、警察犬指定犬種7犬種(当協会登録犬に限ります)を犬種・クラス(年齢)・牡、牝別にそれぞれ分け、個体審査と比較審査を別々に審査する2審制を主に行っていますが、支部主催または1犬種のみで行う単独展では、状況により個体審査と比較審査を同時に審査する1審制で実施する場合もあります。



クラスは下の表のように分けられますが、本部主催のシェパード犬種の成犬組は更に内産組と外産組に分けられます。
ク ラ ス 表
幼犬特組    満3ヶ月以上6ヶ月未満
幼犬小組    満6ヶ月以上9ヶ月未満
幼犬大組    満9ヶ月以上12ヶ月未満
若 犬 組    満12ヶ月以上18ヶ月未満
未成犬組    満18ヶ月以上24ヶ月未満
成 犬 組    満24ヶ月以上

 なお、このクラス分けは審査会当日の年齢です。


 審査会にご愛犬を出陳させるには、当協会の会員であることは勿論、当協会の登録犬に限られます。また、本部・支部・犬種クラブ等の主催・犬種・クラス等によって、それぞれ決められた犬の資格を取得していなければ出陳することができません。


 審査は個体審査から始まりますが、ここでは、犬種のスタンダードに基づき1頭ずつ細かく目の色や形、歯の噛み合わせ、被毛の色、歩き方、性格、全体のバランス、当日のコンディション等の個体を審査します。この個体審査が全犬終了してから、次の比較審査に移ります。


訓 練 競 技 会 の シ ス テ ム

競技会は、協会本部、支部、訓練士会等が主催し、全国各地で行われます。
審査会では警察犬種7犬種の参加に限られていますが、競技会では、本部主催以外は警察犬種の7犬種以外でも参加することができます。ただし、会員の所有犬に限ります。

競技会は下の表のように本部、支部、訓練士会等の主催により競技内容が異なりますが、それぞれ科目別に分けて競技が進められます。
本 部 主 催
名  称 科目名
日本訓練チャンピオン決定競技会 警戒の部、臭気選別の部、足跡追及の部
全日本嘱託警察犬競技大会 足跡追及の部、臭気選別の部
全日本服従訓練競技大会 服従のみの科目を難易度別のアマチュア、プロ、小学生以下の部等に設定した科目


支部、訓練士会等主催
警戒、選別、追及、服従の科目をそれぞれ難易度別に分け、出場の範囲を主催側により更に、嘱託犬の部、プロの部、アマの部等に分け、警察犬種外の部も設けられます。

また、競技会の種類によっても出場科目の設定がそれぞれ異なります。
 科目を大きく分けると、服従と専門科目の足跡(そくせき)追及警戒臭気選別の部に分けられます。


競技会にご愛犬を出場させるには、審査会と同様に当協会の会員であること、主催側、科目によっても異なりますが、それぞれ決められたご愛犬の資格すること等が条件となります。
また、アマチュアの方が指導手として出場する場合は、ご本人が所有している犬以外は指導できません。ただし、協会本部が主催する「全日本服従訓練競技大会」におきましては、科目によっては出場することができます。


脚側行進をするアマチュアの指導手さん
競技は設定される科目によっても違いますが、ひとつの科目で使用する面積が広いため、会場を何ヵ所かに分けて競技が進められます。特に「足跡追及」の科目は1頭の審査でも広い場所が使われます。
またこの科目は同じ場所を2回、3回とすぐには使えませんので、場所を移動しながらの審査となるため、出場頭数分の会場が必要になります。他の科目は、ほとんど一ヶ所で行われます。
           
足跡追及の科目は特に広い場所が必要     本部主催では何カ所にも分かれる警戒競技
審査は各科目とも減点法で行われます。また、本部主催の日本訓練チャンピオン決定競技会では、毎年全国各地から1,000頭以上もの訓練犬が参加し、各科目別にChを競い合いますが、出場頭数が非常に多いため科目によっては上位同得点犬のみで、1位、2位、3位を決める決定戦が行われます。特に臭気選別競技に於いては何回も決定戦を行う場合があります。
    
臭気選別に挑むゴールデン犬種  警戒競技でダンベルを持来する  足跡追及の決定戦では難しい舗装道路の足跡を追う
                                              警戒競技でダンベルを持来する
  
競 技 内 容 に つ い て
服  従

 犬が本来もっている忠誠心を、さらに正確な服従というかたちで、その服従性を競い合う基本的な科目です。指導手の命令で犬を足もとに付けさせ、犬とともに決められたコースを歩いたり(脚側行進)、犬のみを立止まらせ呼び寄せたり、障害物を飛越(障害飛越)させ、投げた物品を持って来させたり(物品持来)、何分間か伏せをさせておく(休止)等の競技です。


足跡追及

 逃走犯人を想定して、逃走犯人役(印跡者)が、予め設定されたコースを歩いて足跡コース(逃走した経路を想定したもの)を作り、その足跡コース上に印跡者が所持品(物品)を決められた場所数箇所に置き(逃走犯人が落としていった所持品を想定)、犬を使用してコースの途中に置かれた遺留品(所持品)を発見させながら、犯人の臭いを頼りに正確に足跡のコースを所定時間内で追及させて競い合う競技です。


警  戒

 使役犬(警察犬種)の基本でもある服従性を競い合う科目で、指導手の命令を如何に忠実に守るかを審査する競技でもあります。指導手の命令で指導手と共に走ったり、犬のみによる幅跳び、トンネルくぐり、高さ約1メートルの障害物の飛び越し、投げたダンベルの持来、また、数箇所に置かれた遮蔽物に仮想の犯人が潜んでいるのを発見させたりします。また、逃走した犯人や向かって来る犯人に対し犬に襲撃させたりする競技です。


臭気選別

 犯人の物と思われる遺留品を想定し、その臭いを素に犯人の物かどうかを犬に判断させ、その正解率を競い合う競技です。競技の方法は、容疑者の臭いのついた布片(現在はほとんど布片を用いますが、封筒、割り箸などを用いる場合もあります)を犬に嗅がせ、スタート位置から約10メートル先に設けた選別台(高さ約16.5センチ、幅約21センチ、長さ約91センチの木製)〔2台並べる〕の5個所のそれぞれに、容疑者と同じ臭いを付けたもの(犬に嗅がせた臭い)と、容疑者とは違う臭いを付けたものを置いた台から、同じ臭いのするものを持って来させることで正解となります。また、より高度な犬の選別能力が必要とされる「ゼロ回答選別」(犬に嗅がせた容疑者と同じ臭いを付けたものが、選別台上に無い場合)も行います。




訓 練 用 具 等 の 説 明

<障害台>
斜線の板は犬が飛び越す際に足を引っ掛けても飛び越せるように回転するようになっている。
高さは80cmと1mのものがある。幅はどちらも1.2m






<板壁>
横幅1.5m、高さ1.8m、板の全長は1.91m。
頂点には厚いゴム又は牛皮をかぶせて打ちつける。
(犬の胸や腹を傷つけないために必要)
3本の宛て木の間隔は頂点から第1の宛て木まで24cm。第1〜第2、第2〜第3の宛て木は各々48cm。







<幅跳び台>
縦1.5m、幅2m、高さ30cm。上に白色のビニールの紐を張る。






<トンネル>
長さ3m、幅45cm、高さ48cm(合板)






<ブリッジ>
幅約50cm、高さ約1m、長さ約3mの橋状の台






<選別台>
高さ約16.5cm、幅約21cm、長さ91cmの木製の台を2台並べて使用。
当協会の競技会(日本訓練チャンピオン、全日本嘱託警察犬競技大会等)における臭気選別台の物品の配置は原則として図4のように統一している。
臭気は、@、B、D、G、Iに置く。※DとGの間隔が、他より約9cm広い。
訓練所等で行う訓練試験は指導手の希望で、台を1台使うか2台使うかは普段使っている方法で実施させている。また、支部主催の公開訓練試験等については、支部と審査員長の判断に任せている。






*iphone アプリ 開発
*Android 開発/a>